Japanische Klassiker mit Furigana
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いれふだ
入れ札
菊池 寛
Lesen Sie 入れ札 (いれふだ) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.917 Zeichen · 19 Bildschirme
弥助 なぜだい、兄い!
九郎助 入れ札じゃ、俺三人の中へはいれねえや。
弥助 そんなにお前、自分を見限るにも当らねえじゃねえか。忠次の一の子分といえばお前さんにきまっているじゃねえか。
九郎助 上辺はそうなっている。だが、俺、去年、大前田との出入りの時、喧嘩場からひっかつがれてから、ひどく人望をなくしてしまったんだ。それが俺にはよく分かるんだ。上辺は兄い兄いと立てていてくれても、心の底じゃ俺を軽んじているんだ。入れ札になんかなってみろ! それが、ありありと札数に出るんだからな。
弥助 ……。
九郎助 何ぞといえば、俺を年寄扱いにしやがるあの浅太郎への意地にだって、俺捨てて行かれたくねえや。
弥助 もっともだ。だが、心配することはいらねえや。お前が落っこちる心配はねえ。
九郎助 そうじゃねえ。怪しいものだ。どうも俺に札を入れてくれそうな心当りはねえや。
弥助 並河の才助がいるじゃねえか。あの男はお前によっぼど世話になっているだろう。
九郎助 いやあ、この頃の若いやつは、恩を忘れるのは早いや。あいつはこの頃じゃ、「浅兄い浅兄い」と、浅にばかりくっついていやがる。
弥助 ……。