Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

「しかし今度のお企てはちとご無理ではないでしょうかな」

「さあそれは考えものだ」

「いや全く考えものだ」

「噂によると神宮寺の巫女が大変怒っているそうですよ」

「あいつらが怒るとちょっと恐い」

「名に負う水狐族の手合ですからな」

「今度は若殿も失敗かな」

「立派なお方には相違ないが、どうも血気に急らせられてな」

「それもこれもお若いからよ」

「ちと好奇心が過ぎるようだ」

「今度の企ても好奇心からよ」

「巫女達はきっと祟ろうぞ」

「これまで水狐族に祟られたもので、難を免れたものはない」

「恐ろしいほど執念深いからな」

「先祖代々執念深いのさ」

「それにあいつらは妖術を使う」

「切支丹の秘法だそうな」

「切支丹ではない陰陽術だ」

「日本固有の陰陽術かな」

「そうだ中御門の陰陽術だ」

「おや」と一人が指差した。「いよいよ若殿のご座船が出るぞ」

「どれどれ? なるほど、ご座船らしいな」

「若殿自らお指図と来た」

「もしも水狐族が祟るなら、きっと若殿へ祟るであろうぞ」

「無論水狐族も恐ろしいが、それより私には明神のお罰が一層恐ろしく思われるよ」

「日本第一大軍神、健御名方のご神罰かな」

「これは昔からの云い伝えだが、諏訪法性の冑には、諏訪明神のご神霊が附き添いおられるということだ」