Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうえんのはなとどくが

公園の花と毒蛾

小川 未明

Lesen Sie 公園の花と毒蛾 (こうえんのはなとどくが) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 18.574 Zeichen · 38 Bildschirme

Aozora Bunko

このときまで、まだ目にありありとあの女の姿が残っていたので、その女が死んだのでないかと思うと、心臓の鼓動が高くなるのを覚えたのです。南の国の町というのは、どんな町であろうか。彼は、明るい空の下に、赤い旗影や、白い旗影などがひらひらとひるがえって、人影が、町の中を往来する光景などを、ぼんやりと目に描いたのでありました。

そのうちに、ほんとうにお祭りの日がきたのでした。そして、去年集まった見せ物師らは、また方々から寺の境内に集まりました。軽業の一座もやってきました。彼は、どんなに心の中で楽しみにして、その日を待っていたでしょう。

一年は、こうしてめぐってきた。圃にも、庭にも、去年のそのころに咲いた花が、また黄に、紫に咲いていたのでした。彼は、ドンチャン、ドンチャンとあちらで鳴るにぎやかな音を聞きながら、町を、その方に向かって歩いていった。やはり人々にもまれながら寺の境内に入ると、片側に高い軽業の小舎があって、昨年見たときのような絵看板が懸かっていました。彼は、木戸銭を払ってのぞきました。そして、幾人もいる肉襦袢一枚の若い女らの群れから、目に残っている女を探しました。