Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうえんのはなとどくが

公園の花と毒蛾

小川 未明

Lesen Sie 公園の花と毒蛾 (こうえんのはなとどくが) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 18.574 Zeichen · 38 Bildschirme

Aozora Bunko

二

花は、それをうらやましくも、またのろわしいことにも思いました。

二

珍しく、空の晴れた日でありました。山の頂から高原にかけて、澄みわたった大空の色は、青く、青く、見られたのです。

とこなつの花は、頭を上げて、じっと太陽の光に見入っていました。このとき、青い空をかすめて、どこからともなく、一羽の鳥が飛んできました。最初は、ほんの黒い点のように見えたのです。そして、だんだんその姿がはっきりと見えました。けれど、それは、高く、高くて、鳴いている声すら、とこなつの花のところまでは、かろうじて聞こえてきたほどであります。

「どこへあの鳥は飛んでゆくのであろう? そして、あんなに自由に。」と、花は、真紅の花びらを、風にふるわせながら独り言をいっていました。

すると、その鳥の姿は、ますます、近くなってきたのであります。花は、それを見て不思議に思っていました。どうして、あの旅の鳥は、こんなにさびしい殺風景な野原に下りるのだろう? とにかくあの鳥は、この野原に下りようと思っているのだと考えました。

小鳥は、はたして、花の思ったように、野原に下りました。しかも、すぐ花の咲いている石の上にきて止まったのであります。