Japanische Klassiker mit Furigana
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こうえんのはなとどくが
公園の花と毒蛾
小川 未明
Lesen Sie 公園の花と毒蛾 (こうえんのはなとどくが) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 18.574 Zeichen · 38 Bildschirme
この石も、また、こちらの脊の高い草も、その光を浴びました。そして、それをありがたいともなんとも思っていないように平気な顔つきをしていました。しかし、太陽は、けっしてそれに対して気を悪くするようなことがなく、平等に笑顔をもってながめていました。
とこなつの花は、自分だけが、とくに恵まれたわけではないけれど、太陽に対して、いいしれぬなつかしさを感じていたのです。そして、どうかして、すこしでも長く、太陽の顔をながめていたいものだと願っていました。しかし、この高原にあっては、それすらかなわない望みでありました。たちまち、白い雲が渦を巻いて、空を低く流れてゆきます。それは、すぐに太陽を隠してしまうばかりでなく、あるときは、まったくそのありかすらわからなくしてしまうのでありました。
花は、この雲の出ることをいといました。しかし、そばにあった石や、あちらの強そうな脊の高い草は、平気でありました。花は、まだ、この雲は我慢もできましたけれど、寒い風と雨と、そして、息のつまるような濃い、冷たい、霧とを、どんなにおそれたかしれません。
「ああ、あの冷たい、身を切るような、霧の出ないようにはならないものか。