Japanische Klassiker mit Furigana
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こうえんのはなとどくが
公園の花と毒蛾
小川 未明
Lesen Sie 公園の花と毒蛾 (こうえんのはなとどくが) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 18.574 Zeichen · 38 Bildschirme
どうか、それについての私の話を聞いてください。」
「私は、海や、山や、町の上を旅して、あてなく空のかなたから、かなたの空へと飛んでゆく鳥であります。悲しいことも、さびしいことも、数あまりあるほどのいろいろなめに遇うてきました。そのなかで、いまでも、この青い空の色を見るにつけて思い出さるるのは、北の海の上を幾日も航海したときのことであります。あるときは、岸の上に、あるときは、人の住まない島に、また、あるときは、船のほばしらの上に、身を休めたのでありました。そして、くる日も、つぎにくる日も、見るものは、青い、海の色ばかりでありました。」
「そんなときに、遠くゆく、船のほばしらの頂に、赤い旗のなびくのを見て、私は、どんなに悲しく、なつかしく思ったでしょう。私は、いまあなたの姿を見て、北海が恋しくなりました。あなたの姿は、あの船のほばしらの頂に、潮風に吹かれて、ひるがえる赤い旗のように、私の胸の血潮をわかせます。あなたがこのさびしい野原に、こうしてひとりで頼りなく咲いていられるのは、あの旗が、荒々しい、北海の波の間にひらめくのと同じだと考えられるのです。あなたは、さびしくはありませんか。