Japanische Klassiker mit Furigana
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いちょう
公孫樹
豊島 与志雄
Lesen Sie 公孫樹 (いちょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.764 Zeichen · 20 Bildschirme
僕は呆気にとられたが、何だか見て悪いものを見たような気がして、こそこそ引返していった。
足の皮以外に一切肥料を与えない父が、而も土足に踏まれるのは不快だという足の皮を埋めているところに、いくら自分のものだとは云え、小便をひっかけてるのは理に合わないことだった。で僕はどうも腑に落ちかねて、それから注意してみると、父はやはり時々、人の目につかないように、公孫樹に小便をやってるのだった。それがはっきり分ると、僕は理屈をぬきにして、一人でに微笑が催されたのである。その小便の利目かどうか知らないが、五月の中頃に、不思議なことには、とても駄目だと見えていた公孫樹の枝から、可愛いい若芽が萠え出してきた。
「おい来てごらん。どうだ、公孫樹の芽がふいたぞ。」
父は何度もそんなことをくり返して、僕達に新芽を見させた。新芽が大きくなり枝が伸び初めると、毎朝のように誰かをその根本に呼び寄せた。そして如何にも晴れ晴れとした顔をしていた。僕は小便のことを思って一人で可笑しかった。余り可笑しいので、つい母へ告口してしまった。母は苦笑したが、次には小言をもち込んだ。
「いくら何だって、汚いじゃありませんか。