Japanische Klassiker mit Furigana
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いちょう
公孫樹
豊島 与志雄
Lesen Sie 公孫樹 (いちょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.764 Zeichen · 20 Bildschirme
「この頃の洋式の建築は可笑しなことをするもんだね。砂利を煮て何にするんだろう。」
そう云って、吉住が煙草に火をつけながら立止ったので、私も一緒に立って、やはり煙草に火をつけた。
「まさか砂利だけを煮るつもりでもなかろう。」
だが、実際砂利だけを煮てるのだった。長方形の大きな鉄の釜が二つ並んでいて、一方のには真黒なアスファルトが、一方のには大粒の砂利が、何れも七分目ばかりはいっていて、下から薪が盛んに焚かれている。アスファルトはもくもくと煮立ってるままであるが、砂利の方には一人の男がついていて、シャベルの先でしきりにかき廻している。やがて、高い建築の上から斜めに下されてる足場を伝って、両端に石油缶の桶を天秤棒で荷った男達が、幾人も下りてきて、或者はアスファルトを、或者は砂利を、煮え立ったまま石油缶の桶一杯すくい取って、城砦のような高い建築の中に、運び上げてゆく。釜が空になると、またアスファルトや砂利が盛られ、その煮え立ったのが、石油缶の桶で運び去らるる。いつまで見ていても同じことだ。
「おい、行こうよ。」と私は促した。
「まあ待て、面白いじゃないか。」
吉住はさも感心したように、アスファルトと砂利との釜を見比べていて、動き出そうともしなかった。