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Japanische Klassiker mit Furigana

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きかくとさんぞくととのさま

其角と山賊と殿様

山本 周五郎

Lesen Sie 其角と山賊と殿様 (きかくとさんぞくととのさま) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.948 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうした、刻がうつるぞ」

「は、唯今」

苦案に苦案を重ねて一句を得た。

「一句浮びました」

「よしよし、そこで披露してみろ」

其角は厳かに手を膝へ置いて詠んだ。

霜を見る蛙は百舌の沓手かな

「なる程」

頭領は頷いた。

「百舌の早贄にかかったので、蛙が霜に逢うというのだな、面白い」

と盃をあげたが、

「だが、百舌の早贄などとは、この座に当つけた心持があって不愉快だ、折角だが助けることはできないぞ」

「な、何故でございます」

「何故も風もない、それ、そやつを生贄にかけるのだ」

言下に立上る賊共。

「ま、待ってください」

立上る其角、四五人の荒くれが取って押えると、いきなり頭から黒い布を冠せた。脱れようと必死に争ったが、ずるずると引摺って行かれる其角、かっかと燃える烈火のほてりを感じたまま、遂に気を喪ってしまった。

それから随分ながい刻が経った。夢から醒めるように、其角は自然と目覚めた。

「おや!」

と思って起上ると、自分は茅場町の裏店のひと間に、破笠と並んで寝ている。夜の衾も共同の物だし、着物も佐野屋へ出掛けた時のままである。悪夢か――狐狸に化かされたのか、余りの不思議さに、