Japanische Klassiker mit Furigana
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くらのすけるす
内蔵允留守
山本 周五郎
Lesen Sie 内蔵允留守 (くらのすけるす) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.082 Zeichen · 24 Bildschirme
虎之助は念のために、その老人に声をかけて道を慥かめた。
「そうでございます」老人は鍬をとめて振返った、「……それは此処をはいって、あの森沿いの窪地へ下りたところでござりますが、先生はいまお留守のようでござりますぞ」
「お留守、……と云うと」
「此処へ移ってみえたのが二月、それから五十日ほどすると、ふらっと何処かへお出掛けになったきり、いまだにお帰りがないようすでござります」
「然し門人なり留守の方がおられよう」
「門人衆という訳ではありませんが、先生のお留守に来た御修業者が五人、お帰りを待って滞在して居られますようで、ひと頃は十四五人も居られましたがな、いまは五人だけお泊りのようでござります」
「老人はこの御近所にお住いか」
「はい、あの栗林の向うに見えるのが、わたくしの家でござります」
虎之助は老人に礼を云って、小径へ入った。……ようやく尋ね当てたのに、此処でもまた其の人は留守だという、然し同じように尋ねて来た修業者たちが、内蔵允の帰宅を待って滞在しているというのなら、自分も待たせて貰えるであろう。そう思いながら、草の実のはぜる細い小径をたどって行った。杉の森について百歩ほど入ると、左手に閑雅に古びた木戸があり、「別所内蔵允」