Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Lesen Sie 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.812 Zeichen · 248 Bildschirme
私は父をとがめる気は少しもありません。そこには人生の愛と運命の悲しさがありましょう。
唯円 あなたの母上はどうなされました。
善鸞 父が京へ帰るとき稲田に残りましたが、もはや死んでしまいました。
唯円 ほんとうに世の中は限りもなくさびしいものでございますね。
善鸞 私には世界は悲しみの谷のごとくに見えます。
両人沈黙。
唯円 私はきょうはこれでお暇申します。
善鸞 そうですか。きょうはうれしい気がしました。私はもっと話したいのですけれども。
唯円 私もいつまでもいたいのですが、お師匠様に内緒で来たのですから。
善鸞 私のために苦しい思いをさせますね。許してください。きょうはいろいろと考えさせられました。ありがたい気がいたします。
唯円 私はこんなに充実して話した事はありません。きっとまた参りますからね。
善鸞 できるだけたびたび来てください。私はいつもさびしいのです。
唯円 では失礼いたします。(立ち上がり、入り口のそばまで行き振り返り、力を入れて)もしおとう様が会うとおっしゃればどうなされます。
善鸞 (考えて、きっぱりと)私は喜んで会う気です。
唯円 ではさようなら。
善鸞 (見送る)さようなら。