Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅっけとそのでし

出家とその弟子

倉田 百三

Lesen Sie 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.812 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

同行三 それは真証でござりますか。

一同不審の顔つきをしている。

親鸞 何しに虚言を申しましょう。思わせぶりだとおぼしめしなさるな。およそ真理は単純なものです。救いの手続きとして、外から見れば念仏ほど簡単なものはありませぬ。ただの六字だでな。だが内からその心持ちに分け入れば、限りもなく深く複雑なものです。おそらくあなたがたが一生かかってもその底に達する事はありますまい。人生の愛と運命と悲哀と――あなたがたの一生涯かかって体験なさる内容を一つの簡単な形に煮詰めて盛り込んであるのです。人生の歩みの道すがら、振りかえるごとにこの六字の深さが見えて行くのです。(だんだん熱心になる)それを知恵が増すと申すのじゃ。経書の教義を究めるのとは別事です。知識がふえても心の眼は明るくならぬでな。もしめいめいがたが親鸞に相談なさるなら、御熟知の唱名でよろしいと申しましょう。経釈の聞きぼこりはもってのほかの事じゃ。それよりもめいめいに念仏の心持ちを味わう事を心がけなさるがよい。人を愛しなさい。許しなさい。悲しみを耐え忍びなさい。業の催しに苦しみなさい。運命を直視なさい。その時人生のさまざまの事象を見る目がぬれて来ます。