Japanische Klassiker mit Furigana
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しょとうのにっきから
初冬の日記から
寺田 寅彦
Lesen Sie 初冬の日記から (しょとうのにっきから) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.930 Zeichen · 20 Bildschirme
この難儀な迷惑な証人の役目を負わせるための適任者は、別に物色するまでもなく例の夕刊嬢において見出されるのである。一度拒絶した五円を貰わねばやはり父の薬が買えない。その五円をもった田代がこのアパートに来ているものと見当をつけて尋ねて来るところに多少の複雑な心理的な味を見せようというのである。さて来てみるとダンサーの室の前で変な男すなわち真犯人が取乱した風で手を洗っている。それが慌てて逃げ出す。ダンサーの室は叩いても音がしない。洗面台に犯人の遺した腕時計が光っていて、それが折から金につまった小娘を誘惑する。ここはなかなかこの娘役者の骨の折れるところであろう。多分胸の動悸を象徴するためであろうか、機関車のような者を舞台裏で聞かせるがあれは少し変である。
容疑者の容疑をもう一段強めるために、もう一つのエピソードを導入したいので次のような仕かけを考えたものである。この挿話の主人公夫婦として現われる二人の俳優の演技が老巧なためにこれが相当な効果をあげているようである。
銀座を追われた靴磨き両人に腹を減らさせて浜町公園のベンチへ導く。そこに見物には分かっているが靴磨き二人には所有者不明の写真機がある。