Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

も少し私を棄てないで置いてくれないか。……何日かも話した通り、此の土地で初めてお蓮を呼んで、あまり好くもなかったから、二十日ばかりも足踏みしなかったが、また、ひょッと来て見たくなって、お蓮でも可いから呼べと思って、呼ぶと、蓮ちゃんがいなくって、宮ちゃんが来た。それから後は君の知っている通りだ。宮ちゃんのような女は、また容易に目付からないもの。」

そう言って、私は、仰けになっていた身体を跳ね起きて、女の方に向いて、蒲団の上に胡坐をかいた。

お宮は、沈んだ頭振を掉って、

「いけない! 何うしても隠れなくッちゃならない!」堅く自分に決心したように底力のある声で言って、後は「ですからあなたにはお気の毒なの……。私の代りにまたお蓮さんを呼んであげて下さい。」と言葉尻を優しく愛想を言った。そうしてまた独りで思案に暮れているらしい。

私は、喪然して了った。

「何うでも隠れなくってはならない! ……君には、其様な逃げ隠れをせねばならぬような人があったのか。……それには何れ一と通りならぬ理由のあることだろうが、何うしてまあ其様なことになったの? ……そんなこととは知らず、僕は真実に君を想っていた。