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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Lesen Sie 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.568 Zeichen · 98 Bildschirme

Aozora Bunko

……それに対して徳川幕府は、特別に兵備をととのえようともせず、海岸防備を試みようともせず、外侮を受けようとしているのじゃ。……しかして国内の有様はどうか? 上は将軍家をはじめとし、台閣諸侯、奉行輩、奢侈に耽り無為に日を暮らし、近世珍らしい大飢饉が、帝の赤子を餓死させつつあるのに、ろくろく救済の策さえ講ぜず、安閑として眺めている。……これでは幕府の存在は、有害であって無益ではないか! すべからく天下に罪を謝し、政治を京師へ奉還し、天皇様御親政の日本本来の、自然の政体に返すべきじゃ!」

「先生々々、もうその御議論は……」

矩之丞は四辺りを憚って、押止めるように手を振った。

「うむ、よしよし」と中斎は頷き、しばらく沈黙していたが、

「矩之丞」と秘めた声で、

「こういう内外の悪情勢に際し、何が最も恐ろしいか、何を最も戒心すべきか、知っておるかな? 心得ておるか?」

「…………」

「外国渡来の悪思想、及び悪い宗教じゃ」

「これはごもっともに存じます」

「外国渡来の悪趣味の娯楽、これも注意して打倒しなければいけない」

「ごもっともに存じます」

「外国渡来の悪宗教といえば、過ぐる年わしは吉利支丹信者の、貢という巫女を京都で捕らえ、一味の者共々刑に処したが……」