Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かちうんまけうん

勝ち運負け運

佐々木 邦

Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme

Aozora Bunko

山の手の烏

「それはこの間承わりました。私、日出男さんに訳を訊いているのよ。日出男さん」

「はあ」

「あなたは兄さんがそう仰有るから、御勉強をなさいませんの?」

「はあ」

「それじゃ私よりも兄さんがお好きなんですから、兄さんをお貰いになったら宜いでしょう。私、私の言うことを聞いて下さらない人は嫌いよ」

「…………」

「あなたがあなたなら、私も私よ」

と豊子さんは憤ってしまった。菊太郎君が変な理窟をつけて誤魔化そうとしたのが悪かった。頭が好いんだから、何も彼も分っている。

山の手の烏

正直の話、僕は己惚に支配されて、現実を見誤ることが往々ある。対女性の問題にそれが多い。自信があるものだから、つい油断をする。何うもよくない癖だと思っている。例えば菊太郎君と二人でカフェーへ入って坐り込む早々、綺麗な女給が僕に意味深長な目くばせを始める。知らん顔をしていれば宜いのに、魚心水心の原則が頭の中で働くから、然るべく応答すると、相手は案外にも僕の後の客だったりする。一寸具合の悪いものだ。菊太郎君が見咎めない限り、一々報告はしないが、然うした場合が度々ある。ついこの間も歌舞伎座へ行って失策った。