Japanische Klassiker mit Furigana
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けちょう
化鳥
泉 鏡花
Lesen Sie 化鳥 (けちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.872 Zeichen · 35 Bildschirme
晴れるといまに行くよ。
母様は嘘をおっしゃらない。
博士は頻に指ししていたが、口が利けないらしかった。で、一散に駈けて来て、黙って小屋の前を通ろうとする。
「おじさんおじさん。」
と厳しく呼んでやった。追懸けて、
「橋銭を置いていらっしゃい、おじさん。」
とそういった。
「何だ!」
一通の声ではない。さっきから口が利けないで、あのふくれた腹に一杯固くなるほど詰め込み詰め込みしておいた声を、紙鉄砲ぶつようにはじきだしたものらしい。
で、赤い鼻をうつむけて、額越に睨みつけた。
「何か。」と今度は鷹揚である。
私は返事をしませんかった。それは驚いたわけではない、恐かったわけではない。鮟鱇にしては少し顔がそぐわないから何にしよう、何に肖ているだろう、この赤い鼻の高いのに、さきの方が少し垂れさがって、上唇におっかぶさってる工合といったらない、魚より獣よりむしろ鳥の嘴によく肖ている。雀か、山雀か、そうでもない。それでもないト考えて七面鳥に思いあたった時、なまぬるい音調で、
「馬鹿め。」
といいすてにして、沈んで来る帽子をゆりあげて行こうとする。
「あなた。」とおっかさんが屹とした声でおっしゃって、お膝の上の糸屑を、細い、白い、指のさきで二ツ三ツはじき落して、すっと出て窓の処へお立ちなすった。