Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
英国で少女が毎月朔日最初に言うとて熟兎と高く呼べばその月中幸運を享く、烟突の下から呼び上ぐれば効験最も著しく好き贈品随って来るとか(一九〇九年発行『随筆問答雑誌』十輯十一巻)。『古事記』に大国主その兄弟に苦しめられた兎を救い吉報を得る事あり、これらは兎を吉祥とした例だが兎を悪兆とする例も多い。それは前述通りこの獣半男女また淫乱故とも、至って怯懦故とも(アボット、上出)、またこれを族霊として尊ぶ民に凶事を知らさんとて現わるる故(ゴム、上出)ともいう。すべて一国民一種族の習俗や信念は人類初めて生じてより年代紀すべからざる永歳月を経種々無限の遭際を歴て重畳千万して成った物だから、この事の原因はこれ、かの事の起源はあれと一々判然と断言しがたく、言わば兎を半男女また淫獣また怯懦また族霊としたから、兎が悪兆に極められてしもうたと言うが一番至当らしい、さて予の考うるは右の諸因のほかに兎が黠智に富むのもまた悪獣と見られた一理由だろ。猟夫から毎度聞いたは猟に出懸ける途上兎を見ると追い懸けて夢中になる犬多く、追えば追うほど兎種々に走り躱れて犬ために身憊れ心乱れて少しも主命を用いず、故に狩猟の途上兎を見れば中途から還る事多しと、したがって熊野では猟夫兎を見るのみかはその名を聞くばかりでも中途から引き還す。