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Japanische Klassiker mit Furigana

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じゅうにしこう

十二支考(上)〔全2冊〕

南方 熊楠

Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme

Aozora Bunko

よう計らいくだされたいと頼むと、平常悪からぬ女のこと故、王の力を仮りて女を出さず五百銭をも戻さずに、五百人を巻いてしまわせた。爾時辟支仏あって城下に来りしを、かの五百牧牛人供養発願して、その善根を以てたとい彼女身死するとも残金五百銭を与えて、約のごとく彼と交通せんと願懸した。その業力で以来五百生の内、常に五百金銭を与えて、彼女と非法を行うたと仏が説かれた。これで仏の本説は、人の善き事は善く、悪しき事は悪しく、箇々報いが来り、決して差し引き帳消してふ事がないと主張するものと判る。すなわち鏡を捧げた功徳で発願通り飛び切りの別嬪に生まれるが、他の業報で娼妓に生まるるを免れず、娼妓営業中五百人を欺いた報いで、牧牛人輩の発願そのまま、五百金銭を与えて死骸を汚さるるを免れぬは、大功は小罪を消し一善は一悪を滅すと心得た今日普通の業報説と大いに差うようで、こんな仏説を呑み込み過ぎると、重悪を犯した者は、小善を治めても及び着かぬてふ自暴気味を起すかも知れず、今日の小乗仏教徒に、余り大事業大功徳を企つる者なきは多少この理由にも基づくなるべし。

アドルフ・エルトンの『世界周遊記』