Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ(さん)
千世子(三)
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子(三) (ちよこ(さん)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.906 Zeichen · 54 Bildschirme
床についてから七日目の日は朝からまるで夏が来た様にあつかった。
「まあほんとうにあつい、
こんな『かいまき』をかけてちゃあゆだっちゃう。
『女中』にそう云って赤いうすい『かいまき』を出させて下さいな。
千世子はこんな事を云いながら髪をとかしなおしたり爪の掃除をしたりした。
そしてしばらくの間京子に髪をおもちゃにさせて居た。
まあ貴方の髪は何てかるいんだろう、
ほんとうにフワフワしてる、
どうして斯うなんだろうかしら。
京子が云うのに返事もしないで目を細くして千世子は髪と髪の間に五本の指を入れてかきまわされる何とも云えない好い気味をしみじみと味わって居た。
「ねえ貴方、女で髪をこんな事されていい気持だなんて云う人はありませんよ、
大抵さわられたっていやだって云うのに――
私にした所でいい気持どころじゃあない却って頭痛がしてしまう。
年のわりに思いきった事がすきなんですねえ、
四十位の女の様だ!
京子は生毛のまだ生えて居る千世子の頸を見ながら云った。
「四十位?
そんな事ってあるもんですか、
私達にわかるもんですかそんな事云ったって。
十五六から二十になるまで心の中に新らしいものが生れると同じ様に四十位の女の心には又新らしい或るものが産れて居るんですよ、