Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちよこ(に)
千世子(二)
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子(二) (ちよこ(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.249 Zeichen · 31 Bildschirme
がジイッとして、うすい原稿紙を持って居る細やかな指もぴりっともしない。
こんなに静かで居て火花を散らして働いて居る頭の裡を想うと空おそろしい様な気もした。
ややしばらくたって肇がそれをテーブルの上に置いた時思いがけなく自分を見て居た千世子をチラット見て子供がする様な笑い方をした。
誘われた様に千世子もだまって微笑んだ。
千世子の頭には無断で自分の書いたものを読まれた事に対して何か云わなければならない様な気持が満ち満ちて居た。
けれ共はにかみ屋の小娘の様に口に出しては何事も云わなかった、そして母親と三人で一番近くにあった芝居の話や新らしい書籍の話やらを開けっ放した気持ちでして居た。
かなり名の聞えて居る小説家の裡で千世子はどんなにしてもただ訳もなく嫌いな人の噂や「何子氏」と自分の旦那様から呼ばれるその奥さんの事も散々頭ごなしにした。
文学に携さわって居る女の人の裡には随分下らない只一種の好奇心や何となし好きだ位でやって居る人だってある。
満足する様な人は一人だって無い。
少し婦人雑誌で名が売れると一つ二つ著作してもう文士気取りでカフェーをほっつき廻る。