Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちよこ(に)
千世子(二)
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子(二) (ちよこ(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.249 Zeichen · 31 Bildschirme
物事をするのにあんまり考え深すぎる、いくじなしな人間の様に見える事がある。
自分の淋しい過去を思い出した様に涙組んだ様になった肇の大きな眼を見ると、兄弟がなくとつられて泣く赤坊か何かの様に千世子も淋しいうるんだ気持になってこの先にだけは幸福にあらせたいなんかと思ったけれ共その影のうすい様に細い体や愁の絶えない様な声を聞くと肇の体が世の中から去るまで悲しい影がつきまとって居る様に見えた。
千世子はこれから草を刈ったり耕したりしなければならない畑地が苗を下すに合うか合わないか分らない様につくつくとのびて行くか、根ざしさえ仕ずに枯れて仕舞うんだか分りもしない事でありながら肇についてそんな事の思われたのはいかにもいやだった。
自分の一度でも口をきいた人達は皆幸福であって欲しいと自分の身の幸福なお陰で千世子はいつまでもそう思って居るのが天からぶちこわされて仕舞った様な気がした。
どうしても幸福であらせたい。
千世子は仲の善い同胞の様な又慈深い母親が子を思う様にしみじみとそう思った。
肇が帰って仕舞ってからも母親に、
お前はどうしたの。
と云われるまで肇は何となし不幸らしい人だと云う様な事を幾度も幾度もくり返して話した。