Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちよじのおどろき

千代次の驚き

豊島 与志雄

Lesen Sie 千代次の驚き (ちよじのおどろき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.413 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

以前は、お金がほしいとか、僕はとても貧乏だとか、そんなことをしきりに云っていらしたのが、ぷっつりと、お金のことは口になさらないんです。それとなくさぐりをいれてみると、中江さんから少し用だてて貰ったとか、母の貯金が残っていたとか、ぼんやりした話でしたが、あたしには、まだそのほかに何かあるような気がしました。それに、何かにつけて、あたしと依田さんとの仲をしきりに気にしていられるようでした。依田さんとはあたし、初めから何でもなかったし、その頃はもうあまりお目にもかかっていなかったから、笑ってすましましたが、その依田さんと云うのが、実は、村尾さんの勤めていらるる会社の社長なんです。そうしたわけで、これは何か、会社の金に関係がありはすまいかと、そんな想像をして、心配になってきました。いくらこちらは商売でも、もしもあたしのためにそんなことでもあったら、ほんとにお気の毒です。けれど、その頃村尾さんは至って鷹揚で、お出先の勘定もちゃんとなすってるし、何かといってはあたしにお小遣も下さるし、お盆の時なんか、まとまって助けてもらいました。

「こんなことを、僕からしていいかどうか分らないが、もしお差支えがあったら止めるし、そうでなかったら、してあげよう。