Japanische Klassiker mit Furigana
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
Lesen Sie 千曲川のスケッチ (ちくまがわのスケッチ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 81.668 Zeichen · 164 Bildschirme
赤い荒くれた髪、粗野な日に焼けた顔は、男とも女ともつかないような感じがした。どう見ても、ミレエの百姓画の中に出て来そうな人物だ。
その弟らしいのが三四人、どれもこれも黒い垢のついた顔をして、髪はまるで蓬のように見えた。でも、健かな、無心な声で、子供らしい唄を歌った。
母らしい人も林の奥から歩いて来た。一同仕事を休めて、私達の方をめずらしそうに眺めていた。
この人達の働くあたりから岡つづきに上って行くとこう平坦な松林の中へ出た。刈草を負った男が林の間の細道を帰って行った。日は泄れて、湿った草の上に映っていた。深い林の中の空気は、水中を行く魚かなんぞのようにその草刈男を見せた。
がらがらと音をさせて、柴を積んだ車も通った。その音は寂しい林の中に響き渡った。
熊笹、柴などを分けて、私達は蕈を探し歩いたが、その日は獲物は少なかった。枯葉を鎌で掻除けて見ると稀にあるのは紅蕈という食われないのか、腐敗した初蕈位のものだった。終には探し疲れて、そうそうは腰も言うことを聞かなく成った。軽い腰籠を提げたまま南瓜の花の咲いた畠のあるところへ出て行った。山番の小屋が見えた。