Japanische Klassiker mit Furigana
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ちどり
千鳥
鈴木 三重吉
Lesen Sie 千鳥 (ちどり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.951 Zeichen · 41 Bildschirme
ちょうど学校なぞにある標本を流したようでしたわ」
自分は気がついたように、海の方を見わたす。はるかの果てに地方の山が薄っすら見える。小島の蔭に鳥貝を取る船が一と群帆を聯ねている。
「ね、鳩が餌を拾うでしょう」と藤さんがいう。
「芝生に何か落ちてるんでしょうか」
「あたしがさっき撒いておいたんです。いつでもあそこへ餌を撒くんです」
「あ、あれは足をどうかしてるようですね」
初やがすたすたとやってくる。紺の絆天の上に前垂をしめて、丸く脹れている。
「お嬢さん」
「何?」
「いいや、男のお嬢さんじゃわいの」
「まあ。今お着換えなさるんだわ」
「私がどうした」
「冗談は置いて、あなたは蟹を食べなんしたか」
「いつ?」
「ほほほ、鴎のような話ね。――蟹を召しあがれば買ってくるつもりなの?」
「ええ、はあ買うたるのよの。午に煮ようかと思うんでがんさ。はあじきにお午じゃけに。――食べなんしたことががんすのかいの」
「食べるけど、あれは厄介なばかりでしかたがないや」
「おいしいものですけれどね」
「それはうもうがんすえの。それにこのごろは月がないころじゃけになおさらうまいんでがんすわいの。いいえ、ほんとでがんすて。