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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

伊集院は、天井を眺めて、腕組をしていた。小藤次は、扇を、ぱちぱち音させていたが、立上って、廊下へ出て行った。

斉興の部屋からは、低い話声が、誰のともわからずに洩れてきた。仙波と、名越とは、斉興が、あの証拠品を見て、何う処置するか? 自分の孫を、呪い殺した下手人に対して、何う憎み――自分達の真心を、何う考えるか?――煙管を叩く音が、静かな書院中へ、響いていた。暫く、そうした沈黙がつづいてから、足音がしたので、二人が、俯向いていると、四ツ本が

「拙者の詰所まで」

と、いって、襖のところへ、立っていた。

「詰所へ?」

「御上意によって、承わりたいことがござる」

「心得た」

名越が、膝を立てた。仙波が

「只今の品を――」

「只今の? 御前にあるが――」

「御持参御願い申したい」

四ツ本が、襖を開けて、膝をついて、敷居越しに

「申し上げまする」

将曹が

「何じゃ」

「その証拠の品を戻してくれいと、申しておりますが――」

斉興が、鋭く、四ツ本の後方に、頭の端だけを見せて、俯向いている二人を、睨んだ。そして、脇息越しに、手を延して、人形を掴んで

「これか」

大きい声と一緒に、四ツ本の前へ、投げつけた。