Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

お為派崩れ

「何か――」

お由羅が、横から、いうと

「うむ」

と、その方を振向いて

「又じゃ」

投げつけるようにいって、手紙を、お由羅の膝の前へ抛りつけた。そして、大きい声で

「わしが、こうして、国へ戻っている間に、こそこそと致さずと、江戸在府中に、堂々とすればよいではないか」

お由羅が、手紙を読んでいた顔を上げて

「本当に――」

と、空虚な、相槌を打ったが、少し、読んで行くと

「ま、これは、真実ではござりましょうか」

お由羅の声は、真剣で、眉は心配そうに、歪んでいた。

「わしを、幕府の力で無理に隠居させようなどと――身は、聞かん、聞かんぞ――」

斉興は、頭を振った。そして

「茶をもて」

と、怒鳴った。

齢をとって、少し気が短くなっていたし、道中の疲れも、前年より出ていたし、江戸の邸とちがって、鹿児島のこの邸は、少しずつ好みのちがった――何んとなく、落ちつかぬところがあったし、それから、女中、近習が、目立って、動作に気が利かなかったし――そういった小さいことと、久し振りの拝謁者を、一々引見したから起ってきた、神経的な疲労もあったし――そして、それよりも、もっと、斉興の気持を悪くし、憤らせたことは、斉彬贔屓の人々の多いことと、お由羅を軽蔑した眼で見る人の多いこと、それから、何よりも第一に、自分を隠居させて、斉彬を立てようとしている