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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

二人の職人が、家の中の板の間へ坐って、雨の降ってくる往来を見ながら、小太郎の振向いた顔へ、にやっと笑った。

独り言だろう、と、思っていたのが、自分への当てつけらしいので

「何?」

と、小声で、叫んで、立止まった。職人が、それに応じて

「何んでえ」

職人のからかいとしては、余りに乱暴な態度であった。小太郎は、一足踏み出したが、すぐ

(たわけた――)

と、思い直して、歩もうとすると

「馬鹿野郎っ、素浪人の、痩浪人、口惜しかったら出て来いっ」

二人の職人は、腕捲りをして入口まで出て来た。小太郎は、怒りの中から、二人の不審な態度に、疑いを抱いて

(此奴ら、何処の、誰か――)

店をじっと見ると、顔の色が変った。

(小藤次の家だ)

手が、脚が、顫えてきた。

(この職人づれまでに、もう、浪人になったことが判っている以上、小藤次の指金――それは、お由羅の指金――)

そう思うと、小藤次が何っかの蔭から、冷笑しているように感じた。こういう侮辱を受けて、そのまま、通りすぎることは、出来なかった。小太郎は、脇差を押えて、小走りに、その家の軒下に走りよった。職人が

「やあい」

と、叫んで、一二間、板の間を逃げ込んだ。