Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「これだけの人数なら、恐ろしくはないが、国許の奴等と、通謀させてはうるさい。それを取締って――時と、場合で、斬り捨ててもよい。と申しても、貴公は弱いのう」
「恐れ入ります」
四ツ本は、平伏した。
「それから、これも、貴公では、手に余る獣じゃが、益休――此奴を、油断無く見張ってもらいたい――と、申しても、お前で、見張られるかな」
「死物狂いで――」
「死物狂いでは、見張れん。添役に、一人、付けてやろう。それから、万々、内々のことじゃで、世間へ知れては面白うない。これも、よく含んでおいてくれ、ええと――」
将曹が、冷えた茶を、口へつけた時、次の間に、荒い足音がして、取次が
「伊集院様――」
と、云い終るか、終らぬかに、襖を開けて、伊集院平が入って来た。小姓が、その後方から、周章てて、座蒲団を持って来た。四ツ本が、一座滑って、平伏した。
「やあ――寒くなって」
伊集院が、座につくと
「四ツ本ならよかろうが、碇氏、国許から暴れ者が二人、名越へ着いたのを、御存じかな。昨夜」
「いいや」
碇山は、身体を起して、伊集院の方へ、少し火鉢を押しやった。
「例の、秋水党の、何んとか、池上に、兵頭か、そういう名の奴が参ったが、案ずるところ、国許の意見を江戸へ知らせ、江戸の話を、国許へ持ち戻る所存らしい」