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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

世の中の不仕合せの一切を、一身、一家に受けておるとしか思えぬ――申しようも無い次第だ」

綱手は、身躾みのことも忘れ、月丸のことも忘れて、その同情の言葉を、嬉しく、悲しく聞いていた。

「七瀬殿と八郎太殿とに、何う、意見の相違があろうとも、又――そなたと七瀬殿とが、同意であろうと、無かろうと、某は、八郎太殿に、又、小太郎殿に、味方したい。これは、お身に計るのではない。某、一存の決心――只今より小太郎殿に代って、牧の一味を討とうと存ずる」

「貴下様が――」

綱手は、眼を見張った。

「お身は、七瀬殿と、同意ゆえ、某のこの決心には不同意であろうが、八郎太殿の志を思い、その働きを思うとき――武士として、見すごし出来ぬものがある。小太郎殿、御回復を待って、談合の上、斉彬派同士の一人へ入りたい――只今、決心致した――御不服か」

月丸は、低く鋭く云った。

綱手は

(不服どころか――嬉しゅう思いますし、兄も、聞いたなら、さぞ喜びましよう)

と、思いはしたが、七瀬が、固く、月丸に対して、夫とは反対ゆえ、と、いいきっていたから

(お頼み申します)

とは、云えなかった。だから、月丸のそうした言葉に黙っていたが