Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「それがとは?」
「父兄に不同意と、見せかけて――」
月丸は、腕組をして、綱手を見ながら、だんだん脣に、眼に、笑いを、大きくして行った。
「見せかけて」
綱手は、冷静に、こういったが、月丸の、明察に、感心をし、月丸を半分信じ、半分怪しみながらも、何かしら、安心したような気のするところもあった。
「父兄と、諍って家出したとは、真赤な※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)、ちゃんと、諜し合せて、御家老の秘事でも、探ろうという所存――」
綱手は、胸を衝かれて、少し、赤くなったが
「いいえ」
と、烈しく、首を振った。
「それなら、江戸に止まっておりまする。国へ戻りすがらの――お恥かしゅうござりますが、路銀も乏しく、御家老様にお縋りしてと――」
「いや――気に障えられては困る――もし、左様な女丈夫であったなら、某――命にかけても――」
こういって、月丸は、急に黙った。綱手は、その後につづく言葉が、何んであるかを察した。そして、耳朶を赤くし、全身の血を熱くしながら、月丸が、はっきりと、次をつづけるのを待っていた。月丸は、じっと、腕組をして、俯向いていたが
「左様のことは、芝居話――今の世にあろうとは思えぬ。