Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
僅か、百万石足らずの家督を争ったり、子供の二人、三人の死ぬことに、腹を立てたりしておる時では、ないではないか。わしは、幾度、幕府にすすめられても、相続せぬのは、それゆえじゃ。しても、せんでも、わしの仕事に変りはない。幕府は、父君が、保守家ゆえ、わしを立てて、幕府の進歩的方針の一助にしようと、考えているらしいが、問題は、開国するか、せぬかの一つではない。それも重要なことにはちがいないが、もっと、国民の根本を富ます、産業の発達法も、わしの外には考えている人がない。わしは、紡織機械に工夫を凝らしているし、シリンドルの製造にも、着手している。又、電信と申す、人智では考えられぬものにも、手を着けておるが、こういう理化学品を、どんどん作るほかに、天産物に乏しいこの国の福利を計る方法は無い。然し、世の中は、大船を造ることさえ禁じられている。いつになったら、わしの意見が、輿論となり、実行となるか? それを考えると、眠る暇も惜しい。のう、益満、お前と、わしとは、考えていることが、根本的にちがっているのではないか。お前の、只今、申したことは、わしには、よく判る。有難い志じゃ。