Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
関節が、倦くて、堪らないから、揉みたい、と思ったが、もう、手を動かすのも、厭であった。
(いよいよ毒が、廻ってきた。この位で死ねたら――)
と、思った。倦さが、少しずつ薄らぐと、手の先、足の先の感じがなくなって、いつの間にか、胃は、熱くなくなっていたし、呼吸が早いが、低くなっていた。そして、だんだん眠さが、拡がってきた。
(深雪を、赦してやれと、いったが、赦したかしら?)
調所は、少し、口を開けて、静かに、呼吸をしていた。
(鬱金、十二貫目)
調所は、袋に入れた、鬱金の包が、近くにあったり、遠くにあったりするのを見た。
(将曹は、奸物じゃ。然し、斉興公の御引立を蒙ったわしが、斉彬公の御味方になれるか? 奸物と申しても、綱手と申す女は――益満か――御金蔵に、火がついた?)
調所は、脣に、微笑をのせて、少し、口を動かした。
(わしは、何を、考えていたか? 夢をみたのか?――いいや、死んで行くのじゃ。ちがう、今死んでは、島津の家を、何うする?――島津――島津というのは――)
調所の、眼の下に、脣に、薄い隈取りが出てきた。細く、白眼を開けて、薄く、脣を開いたまま、だんだん冷たくなって行った。