Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「放せっ――放してくれ、後生だっ」
庄吉は、泣声で叫んだ。
「話は、俺がつける。庄吉」
小藤次は、こういって、職人に、眼で、庄吉をつれて行け、と指図した。
「庄公、落ちついて――取乱しちゃ――」
「取乱す?――べらぼうめ――放せったら、こいつ、放さねえか」
庄吉は、肩を烈しく揺すって、一人を蹴った。
「とにかく、ここで、話はできねえ、俺んとこまで、一緒に来てくれ」
小藤次が、こういった時、群集の後方から、大きい声で
「仙波っ、何をしている。寛之助様、お亡くなりになったぞ」
と、口早に叫んだものがあった。
小太郎も、小藤次も、その声の方へ、眼をやった。群集の肩を、押除けているのは、益満であった。
小太郎は、益満の顔を、じっと見ながら、庄吉を無理矢理に押して行く職人の、後方を、益満へ足早に近づいて
「何時?」
と、叫んだ。それが、事実であったなら、父母は、離別しなければならないのであった。
「今し方」
「誰から聞いたか?」
二人は、群集の、二人を見る顔の真中で、じっと、お互に、胸の中の判る眼を、見合せた。
「名越殿から――すぐ戻れっ。下らぬ人足を対手にしておる時でない」