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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

二ヶ月前まで無かったことじゃ。何んのために棄てるか? 家のためでもない。親のためでもない。天下のために、棄てようと、申すのじゃ。姓名をいって、国をいわなんだが、お二人とも、水戸の方じゃ。尊王、倒幕を、正義と信じ、天下の大勢と見てとって、脱藩した人々じゃ。遊びでもなければ、金儲けでもない。この仁など、酒まで断って――」

「断ったのではない。金がないからじゃ」

と、一人の浪人が笑った。

「これを、小太、江戸の侍と較べてみい。旗本の馬鹿者共の遊興ぶり、暮しぶりと較べてみい。天下は、確かに一新しそうだ。そして、その魁を為すものは、水戸か、薩摩か? この方々は、水戸の人じゃが、斉彬公を擁立して、天下の勢の赴くところへ、赴かしめようと、この間から、その話じゃ」

「するてえと、つまり、将軍家を、倒そうというんですかい」

南玉は、尤もらしく腕組をして

「由比正雪じゃあるめえし、益満さん、いくら、貴下が、利発でも――」

「駄講釈師の知ったことではない」

「ところが、これで、学文は、和、漢、蘭に亙り――」

「この間も、名越殿と、これで、少し、争ったが、小太、牧を討つのもよい、天下のためも、御家のためも、親のためも、何れも人間の大義にはちがいないが、然し、天下を双肩に荷うのも、おもしろいではないか。