Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
わしは、潔く、処置を受ける」
と、云った時、二三人の足音がして、南玉が
「放せったら」
と、叫んで、格子を入ろうとした。手先の一人が、肩を掴んだ。
「若旦那っ」
南玉は、捕吏に、左右から押えられている小太郎の立姿を見て
「一体――」
と、いうと、顔をしかめて、眼を撫でた。
「牧を――あんた、牧を、一体」
「親爺――庄吉、いろいろと世話になって、何一つ、恩返しもできんが、許してくれい。二人の世話にならんなどと申したが、わしの間違いじゃ。よく尽してくれた。改めて礼を申すぞ。この上は深雪をよろしく頼むぞ。天にも、地にも、仙波の家のは、これ一人に相成った」
小太郎の眼の中には、薄く涙が、滲み出て来た。
「余り、未練らしく振舞って、笑われとうない。深雪、申し聞かさずとも、一人前の判断のできる齢じゃ。よく考えて、この二人とも、益満とも、談合して――」
深雪は、俯向いて、黙っていた。いいたいことが、いっぱいあったが、何からいっていいのか、判らないし、何ういえばいいのかも、考えられなかった。
捕吏は、深雪を、じろじろ眺めて、早く、顔を上げたらいい、と思った。南玉も、庄吉も、黙っていた。