Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

「師匠」

と、誰かが、南玉が、来たらしく、声をかけた。

「黒船の話を聞いたか?」

「黒船か、うむ、

黒船に、赤い毛をした奴が乗り

青い眼をして、白い歯を出す

とは、何んなものだの」

「品川へ来るって話じゃないか」

「うむ――

碧眼、紅毛が来たとても

シャスポー、エンピール、何んのその

岩をも通す、桑の弓

皆朱の長柄を、掻込んで

白銀造りの、太刀佩いて

馬上、ゆたかに、桃牛舎

南玉師匠が、乗込めば――

はい、若旦那、乗込みましたよ」

南玉は、踊りながら、入って来た。

「遅かったのう。何うであった?」

南玉は、手を、横に振って

「駄目、駄目」

深雪が、眉をひそめて

「困りましたな、お兄様」

「何処の、古着屋も、古道具屋も、皆、黒船騒ぎで、品物を買うどころか、あべこべに、売って逃げようとしておりましてな」

南玉は、そう云って、懐から、小さい風呂敷を出して

「しかし、十五両がとこ、慥えて参りましたよ。若旦那、又、厭な顔をなさるかも知れませんが、席亭から、借りた金で――牧の行方は、庄公の仲間も、骨折ってくれてますから、追っつけ知れましょうが、何んしろ、旅には路銀、これんばかしの道具や、着物を売った金では、心細うがすからな、いくら、南玉、張扇で、叩き出すからっても、先ず、持っているに越したことは、ございやせん。