Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
南玉は、こう云って
「香奠をやると、思しめして――」
と、いうと、高座から、前へ、ひらりと、飛び降りた。そして、扇を右手に、左手は、掌を披げて
「はい、お頼み申します」
「何あんだ――畜生、人が食ったことを、吐かしゃあがって――」
と、一人が、笑った。
「いや、おかしいとおもったよ。然し、師匠が、浪人者を見てるって話は、聞いているよ。なあ、江戸っ子だ。※(「言+墟のつくり」、第4水準2-88-74)でもいいや」
「洒落た事をするぜ。師匠らしくていいや、ほらっ――」
誰も、笑っていた。そして、財布を出して、南玉の廻って来るのを、待っていた。
「本当に、師匠、行くのかい?」
南玉は、真面目な顔をして
「ここ、二三ヶ月の内に、瓦版になって出ますよ。はい、有難う、はい、有難う」
と、云いながら、人々の間を廻って、銭を手から袖へ、扇から袖へ――そして、一廻りしてから
「厚く、御馴染様に、御礼申し上げます。さあて――まだまだお早うござりますゆえ、かく、お銭の集まりましたる上からは、一つ、黒船おっ払いの、お呪いとして、南玉一世一代の踊を、御覧に入れます。後の世までの、語り草――いやあーっ、てん、てん」