Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
ついておっては、兄の働きの邪魔になるぞ」
「はい」
「忝ないが、いつも申す通り――わしは、他人の世話にばかりなって、つくづく武士に愛想のつきているおりだ。せめて、牧を討って、それを申訳に残して、妹と二人で、あの世へ――」
「たわけたことを申すな」
と、益満が、怒鳴った。
「男子の尊ぶべきところは、その意気にある。百難に屈せぬ意気にある。貴様の心は、素直であるが、少しの余裕もない。素直は、一つの善であるが、善のみでは、この世に処して、値打ちが無いぞ。善を行うに勇、勇を行うに明。よいか。勇は、勇そのもののみで、値打ちだぞ。その勇がよし、悪を行うにしろ、悪に徹するだけの勇力が、もしあれば、その悪は、万人嘆称の悪だ。いいや、悪に対する嘆称ではなく、悪を徹底せしめたるその勇気を、嘆称するのだ。貴様の勇に、これだけの覚悟があるか? 庄吉の手を借りるのは済まぬ、とか、仇討の者が、女に手を出しては、汚れるとか、孔孟の弟子みたいな考えで、この乱れんとする当節に、物の役に立つか?」
「そう云ったって、貴下――」
と、南玉が、口を出したのを
「黙れ、駄講」
益満は、退けて
「もし、牧を、首尾よく討ったとしたなら、その後、一体、小太は、何を目当として、暮して行く。