Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
そして
「如何、取計いましょうか」
と、義観に聞いた。
「綱手――あの、妹を、あれが、殺したと、いうのかな」
「はい」
「そうか――そして、さっき申した七瀬と、申すのは?」
「綱手の母にござります」
「それも、殺したのか」
「さ、しかと存じませぬが――母は、遠く、国許に居りまして――」
と、答えた時、月丸が、草叢の中へ、坐った。そして、刀を持ったまま、じっと、眼を閉じていた。涙が、頬へ流れていた。
「小太郎――心の出来ておらぬ、武士の意地とは、かようのものじゃ。己を知らず、人を知らず、恥を知って、恥を知らず、恥かしめるを知って、恥かしめられるを知らず、殺人刀を知って、活人剣を知らず、猿が、影を捉えるようなものじゃ。よいか、殺を論じて、一毫を破らず、活を論じて、喪身失命すとは、このことじゃ。わしは、殺を論じたが、一毫も、自他を破らぬが、彼の仁、活を論じて、自らを失っておる。剣刃上に、殺活を論じ、棒頭上に機宜を別つ。わしと、月丸との、この試合をよく考えてみい。人を殺して、生かす、生かして、殺す。二人を較べる時に、自ら、会するところがあろう。身に邪心なく、真知の働く時は、思わざるに、勝ち、然らざる時には、量らざるに破れる。