Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
一心、生死を放念し、雑念を去る時、即ち、生を離れ、死を離れるの時じゃ。先刻、わしを、庇った時の働き、あの境を、よく味わってみい。わしを、庇い、且つ、月丸を、庇って、純一無類、それが、不偏不倚、無一無適の意じゃ。判るか。言葉にすれば、難かしいが、味わえば、やさしい。どうじゃの」
と、義観は、南玉を、振向いて
「上は天文、判るかの」
と、笑った。
「へっ」
と、南玉は、お叩頭をした。月丸が、眼を拭いて、起ち上った。そして
「仙波」
と、叫んだ。小太郎は、義観の言葉を考えていて、答えなかった。
「討つぞ――忘れるな」
月丸は、刀を、鞘へ納めて
「坊主、いずれ、その首を、取るぞ」
「ああ」
義観が、笑って、頷いた。そして
「然し、のう、月丸、わしの首を、取るより前に、気の毒じゃが、死相が現れているぞ、死に近い相が――」
月丸は、鏡を見た時に、自分でも、そう感じたのを、思い出した。そして
(何かしら、魔物の住家のような山だ)
と、思った――そして、口惜しさが、全身に、溢れていたが、いくらか、落ちつくと
(二人がいる上に、臂を打たれているのでは、敵わぬ。ここを耐えて、次の機を――だが、隼人の意気は、十分、見せておいた。