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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

「若い女子衆と登ると、お山が、荒れるえ」

「婆さん、お前さん、嫁いびりしなさんなよ。死んで、地獄へ行くからの」

婆さんは、歯を出して、笑うと、降りて行った。

「まあ、庄吉。少し、嗜みませんと、もし、口論にでもなったら――」

「ああ、びっくりした。恐ろしく、気の強い婆も居やがったもんだ」

駕屋が、うるさくすすめるし、腰を押す小さい女の子が、つき纏って来たが、深雪は、断りながら、静かに――だが、正確に、歩いて登った。

「いざ、というと、成る程、えらいものだ」

と、云って、庄吉は、左手で、手拭を使っていた。右手が無くなってから、遠い路には、身体が、早く疲れてくるようであった。そして、だんだん喋らなくなった。

「お嬢さん、一休みしようじゃあ、ござんせんか」

庄吉は、真赤な顔をして、汗を拭き拭き声をかけた。

茶店の中へ入ると、その中に、休んでいた人々が、一時に、二人の方を見た。深雪は、俯向いて、腰掛の端へ、腰をおろした。

「ようこそ」

と、いって、婆が、他の客へ、餅を持って行っての戻りに、深雪の前を、通ったが

「ああ――」

と、いって、一寸、足を停めて

「何うえ、ま、よく、似て――のう、爺さん」