Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
と、云って、益満は、立って行った。一座には、酔った声の、詩吟と、琵琶歌と、議論とが、いっぱいに――天井から、植込みへ、離れの向うまで、溢れ出していた。
「騒がしいではないか」
小太郎が、咎めるように云って、刀を置いた。
「勢いの赴くところ、かくの如きものだ」
「月丸を討取ったぞ」
「そうか? 何処で」
「叡山の――わしを救ってくれた、あの僧侶の所の――父の墓の前で、深雪と、庄吉とで、討取った」
「ふむ、あの二人で? よく、二人で討てたのう」
益満は微笑した。
「月丸に邪心のきざしたのが、油断になっての。自分で、自分を殺したようなものだ。義観が、万事後を引受けてくれて――わしは、これから、牧の後を追うが、何か、耳に入っておらんか」
「京の藩邸を、二三日前に出たということは、聞いておるが――」
「わしも、それは聞いた。斉彬公の御代と決まっては、邸にも置いておけまいからのう」
「深雪に、あいつらは?」
「庄吉は、手を負ってのう、三人共、義観の庵室に逗留致しておるが、落合うところは、ここと決めておいた。もし、貴公の居る内に参ったなら、よろしく頼む。要件は、それだけだ。これから、牧の足跡を求めて――」