Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
と、思うと、心がしめってきた。だが
(これさえ済めば、からっと、晴れ上るんだ。深雪さんも、庄公も、わしも――)
と、思うと、何かしら、天の配剤というようなものがあって、これ以上に、仙波の一族へは、苦しみが、悲しみが、かからないような気がした。
(この義観って坊主が、天狗みたいな奴で、こいつが、平気な面をしていりゃ、俺達安心していいんだ)
と、いうような気がした。深雪が
「よろしく、と――何も、申すこと、ございません」
と、云って、俯向いた。義観が
「心配すな、牧は落ち目で、小太郎は上り目じゃ。寒いから、お粥にしようかのう」
「深雪さん、お、お粥を食って、待っていなせえ、一っ走りだ」
と、云って、南玉は、笑いながら脇差を差した。深雪も、淋しく笑った。義観が
「うまいお粥を食わしてやろ」
「ついでに、東山の土鍋を、買って参りましょうか、和尚さん、あはははは」
斉彬の居間へ近づくに従って、吉之助の心は――それから、その大きい身体さえ、顫えてきた。
それは、命を賭けた恋人に逢う気持のようでもあったし、自分を育ててくれる神、自分の縋ろうとする大きい力、世の中の称讃を一人で受けている英雄、智慧と、慈悲との権化のような主君――そして、自分のような、軽輩に、目をかけてくれる人――そういう感じが、深い、強い感激となって、肌が締ってくる