Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
「わしの臨終に、間に合うように、あの若者共を、庭先へ、呼んでやってくれい」
「はっ。よ、喜びましょう」
と、石見が、低く叫んで、勢いよく立って行った。歩きながら、眼を拭いていた。誰も、斉彬が、最後の一人の子供をまで、家のために、父のために犠牲にする心に、打ちくだかれてしまっていた。袖を当てたり、鼻をすすったり、しゃくり上げたり――そうして
(このまま、お逝くなりになるのかもしれない)
と、感じ、もし、このまま、逝くなれば、島津は、何うなるだろう? 軽輩と、重臣との衝突など――と、死んだ後の、混乱を考えると、何か、危急が迫って来ているように感じられた。
「お気の弱い――熱は、少しござりますが、これしきの病に――」
それは、将曹の、真心からの言葉であった。斉彬は、溜息をついて
「わしが、今死んだからとて、十年生き延びたからとて、今の天下の形勢は、何うなるものでもない。この、同じ形勢の下に、ただますます、強くなる尊王、倒幕の大勢の下に、何う処置するかは、久光、今更、申すまでもあるまい。わしが、生きておれるなら、生きておってもよい。然し、死んだとて、わしの志は、無になるまい。