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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんちしんじゅう

南地心中

泉 鏡花

Lesen Sie 南地心中 (なんちしんじゅう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.205 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

と慌しい懐手、黒八丈を襲ねた襟から、拇指を出して、ぎっくり、と蝮を拵えて、肩をぶるぶると遣って引込ませて、

「鎌首を出したはどうです、いや聞いても恐れる。」とばたばたと袖を払く。

初阪もそれはしかねない婦と見た。

「執念の深いもんだから、あやかる気で、生命がけの膚に絡ったというわけだ。」

「それもあります。ですがね、心願も懸けたんですとさ。何でも願が叶うと云います……咒詛も、恋も、情も、慾も、意地張も同じ事。……その時鳩尾に巻いていたのは、高津辺の蛇屋で売ります……大瓶の中にぞろぞろ、という一件もので、貴方御存じですか。」

初阪は出所を聞くと悚然とした。我知らず声を潜めて、

「知ッてる……生紙の紙袋の口を結えて、中に筋張った動脈のようにのたくる奴を買って帰って、一晩内に寝かしてそれから高津の宮裏の穴へ放すんだってね。」

五

「ええ、そうですよ。その時、願事を、思込んで言聞かせます。そして袋の口を解くと、にょろにょろと這出すのが、きっと一度、目の前でとぐろを巻いて、首を擡げて、その人間の顔を熟と視て、それから横穴へ入って隠れるって言います。

そのくらい念の入った長虫ですから、買手が来て、蛇屋が貯えたその大瓶の圧蓋を外すと、何ですとさ。