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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

お酒を一口戴きたいもので」

「お合憎様でございます。一合の酒さえございません」民弥は笑って相手にしない。

「ははあ、左様で、ではお茶でも」

「お茶もお合憎様でございます。久しく切れて居りますので」

「おやおやそいつは困りました。では白湯なりと戴きましょう」

「差し上げたくはございますが、お湯を沸かす焚物がございません」民弥はやっぱり相手にしない。

これにはどうやら弁才坊も少しばかり吃驚したらしい。

「ははあ焚物もございませんので」

「明日の朝いただく御飯さえ、実はないのでございます」

「随分貧乏でございますな」

「今に始まりは致しません。昔から貧乏でございます」

「これはいかにも御尤、昔から貧乏でございます」こうは云ったが弁才坊は意味ありそうに云い続けた。「だが大丈夫でございますよ。苦の後には楽が来る、明日にでもなると百万両が、ころげ込むかも知れません」

「はいはい左様でございますとも。百万両は愚かのこと、大名になれるかも知れません」

「そうなった日の暁には、この弁才坊城を築き、兵を財え武器を調え威張って威張って威張ります」

「そうなった日の暁には、この民弥さんも輿に乗り、多くの侍女を従えて、都大路を打たせます」