Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

にも無駄がない。

親子であることには疑いない。万事二人はよく似ている。そうして二人ながら貧しいとみえ、粗末な衣裳を着ているが、しかし大変清らかである。

4

「ねえ民弥さん民弥さん、よい天気でございますねえ」

こう云ったのは弁才坊で、自分の娘を呼びかけるのに、民弥さんとさんの字を付けている。ひどく言葉が砕けている。

「はいはい本当によいお天気で、春らしい陽気になりました。こんな日にお出かけになりましたら、お貰いもたくさんありましょうに、弁才坊さん弁才坊さん、町へお出かけなさりませ」

民弥は民弥でこんなことを云っている。自分の父親を呼びかけるのに、弁才坊さんと云っている。

だがこいつは常時なのである。真実の親子でありながら、お友達のような調子なのである。とても二人ながら剽軽なのである。

「お貰いに行くのも結構ですが、今日は二人で遊びましょう。色々の花が咲きました、桜に山吹に小手毬草に木瓜に杏に木蘭に、海棠の花も咲きました」こう云ったのは弁才坊。

「ほんとにほんとにこのお庭は、お花で一杯でございます。往来さえ見えない程で」こう云ったのは民弥である。

「今日はお花見を致しましょう。