Japanische Klassiker mit Furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme
こんなことを口の中で呟きながら、風船売の少年は、障子の穴から覗いている。
日がだんだん暮れてきた。南蛮寺の鐘も今は止み、合唱の声も止んでしまった。
庭木の陰が次第に濃くなり、夜が間近く迫ってきた。
と、突然家の内から、「これ、誰だ。覗いているのは!」弁才坊の声がした。
「ワッ、いけねえ、目つかっちゃった」
石から飛び下りた風船売の少年、庭木の陰へ隠れたが、その素早さというものは、人間よりも猿に近い。
と内から窓があき、顔を出したは弁才坊で、グルグルと庭を見廻したが、神経質の眼付、ムッと結んだ口、道化た俤など少しもない。眼を付けたは窓下の石!
「石を足場にして覗いたな、さして高くもない窓だのに……とすると子供に相違ない。が、子供でも油断は出来ない……民弥々々!」と声をかけた。
「はい」と民弥が顔を出した。「近所の子供でございましょう。無邪気に覗いたのでございましょう」
そういう民弥こそ無邪気であった。
「さあそいつが解らない」いぜん弁才坊は不安らしい。「私の探った秘密というものは、一通りならぬものだからな。いろいろの人間が狙っていよう」
「申す迄もございません」