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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lesen Sie 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.869 Zeichen · 112 Bildschirme

Aozora Bunko

ここでまたもや考え込んだ。

「そうだそうだひょっとかするとこの人形のどの辺りかに、あいつが隠してあるのかもしれない。あの素晴らしい秘密の物が」

で、少年は窓口へ行き、仔細に人形を調べ出した。人形は随分貫目がある。少年の手には持ち重りがする。顔は非常に美しい。眼などまるっきり活きているようだ。紅を塗られた口からは、今にも言葉が出そうである。着ている衣裳も高価なもので、唐来もののように思われる。

だがこれといって変わった所もない、単純な人形に過ぎなかった。

「何だちっとも面白くもない、ただのありきたりの人形だアね」

不平らしく呟いた風船売の少年、卓の上へ人形を返そうとした時、驚くべき一つの事件が起こった。

7

と云うのは突然人形が、鋭い高い金属性の声で、次のようにハッキリ叫んだのである。

「南蛮寺の謎は胎内の……」

それだけであった! たった一声!

よし一声であろうとも、確かに人形は叫んだのである。しかも驚くべき大きな声で。

風船売の少年が、どんなに吃驚仰天したか、想像に余ると云ってよい。自分が泥棒だということも、忍び込んだ身だということも、何も彼も忘れて声を上げた。